調査・研究

探究し続ける学校図書館

多様な蔵書・スタッフ・生徒が出会うことで実現するリブラリアの取り組みは、全国的にも注目されています。
記録が残る2009年から数えて、学外見学者はのべ1900名を越えました(2023年現在)。


リブラリア発の書籍が全国の学校に

探究科教諭 片岡則夫先生の著書
『中高生からの論文入門』(講談社現代新書) や、
『マイテーマの探し方:探究学習ってどうやるの?』(筑摩書房)
をはじめ、実践をまとめた書籍が全国の学校で活用されています。

スタッフの探究心

学外への情報発信を支えるのが、スタッフ自身の探究心です。
もっと生徒のためになる授業を、図書館を使う面白い取り組みを…などなど。図書館の定例会議では、いつでも新しい企画が生まれます。
学外の委託研究事業(文部科学省/私学教育研究所ほか)にも積極的に参加し、授業カリキュラムの効果検証と、全国的な普及にも力を入れています。

日々成長するリブラリア

ただ生徒が学ぶだけでなく、スタッフもまた、探究心をもって新しい事に挑戦しています。
「先生も研究をするんや~」と生徒に驚かれることもしばしば。
働く人も、利用する人も、みんなが探究する姿勢を持ち続けながら、日々育っているのがリブラリアなのです。


話を真剣に聞く生徒たち

年間事業報告

発行年           重要トピック
2023年
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・「図書館総合展2023」出展、来場者数251 件を達成
・高校生年間貸出点数が好調、生徒1 人当たり8.1 冊に
・アカデミカ生徒論文が「調べる学習コンクール」優秀賞・読売新聞社賞
・「第3 回 情報活用授業コンクール」優秀賞受賞
・訪問者35 件371 名の新記録・累計2000 名突破
2022年
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・清教学園リブラリアが「Library of the Year 2022」の第二次選考対象に
・高校生への資料支援が放送大学の映像授業教材に
・卒業論文研究発表会(中学) 4年ぶりの対面発表会を実施
2021年
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・貸出冊数回復:清教中は公立中の5.6倍
・卒業論文「なんでやねん」の授業から『マイテーマの探し方:探究学習ってどうやるの』生まれる
・文科省「令和3年度学校図書館の活性化に向けた調査研究」事業実施校として指定・研究・報告
・全国の学校図書館との連携行事「ほんトーク」、学図研ニュースに掲載
・図書館の配架は飽和状態一層深刻化。
2020年
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・10年来の課題「蔵書スペースの限界」:総合的学習室の図書館化を提案
・文部科学省の学校図書館事例集にWeb公開される
・コロナ禍とリブラリア:開館日数減少の中で工夫続く
  ①WebOPAC構築と予約サービス開始 ②トークライブ & 動画配信企画
  ③全国の県立・私立の学校図書館との連携行事「ほんトーク」中学編、高校編開催
・図書館総合展オンラインに出展。来場者200名以上を越える
2019年
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・新型コロナウイルスの影響甚大:3月休館・卒業論文発表会中止
・私学教育研究所委託研究実施
・小学生向け「夏休み調べ学習教室」 初の開催
2018年
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・訪問者新記録・累計1300名を突破
・講談社現代新書『中高生からの論文入門』発刊
・『探究科の記録2008~2016』まとまる
・中3卒業研究“論文形式”に進化
・私学教育研究所委託研究決定
2017年
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・リブラリア訪問者数累計1100名を突破
・清教学園幼稚園生による「リブラリア探険」開始
・『なんでも学べる学校図書館をつくる2』少年写真新聞社より出版
・ラーニングコモンズ本格稼働 利用者約3000名
・有志探究活動「清教アカデミカ」はじまる
・統計グラフコンクールに初入賞
2016年
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・ポスターセッションによる中学卒業研究発表会を開催
・ラーニングコモンズ開室
・「本をつなげるプロジェクト」はじまる
・リブラリア書架・総合的学習室ロッカーを各種賞金で増設
・「図書館を使った調べる学習コンクール」9年連続入賞
・教育課程の変更により探究科終了
2015年
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・第9回高橋松之助記念「朝の読書大賞」を受賞
・生徒作品のデジタルアーカイブ化が実現
・第17回図書館総合展にブース出展
・国会図書館「レファレンス協同データベース」に参加
・ツイッターによる情報発信を開始
2014年
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・第44回「学校図書館賞」大賞を受賞
・図書館振興財団の助成決定:デジタルアーカイブ化はじまる
・スタディーホールに書架を増設:収納量3000冊増
・学級文庫「すくどの本」を中学各教室に設置:3000冊が読まれる
2013年
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・文部科学省委託助成研究が終了
・『なんでも学べる学校図書館をつくる』少年写真新聞社より出版
・国際子ども図書館「調べものの部屋プロジェクト」への参加
2012年
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・貸出冊数が増加、4万冊を突破
・「がんばった学校支援事業」補助金交付
・「図書館を使った調べる学習コンクール」受賞
・読売新聞「教育ルネサンス」(全国版)掲載
・中学新入生向けの「すくど文庫」はじまる
レポートイメージ

実践報告・研究レポート

Noタイトル紹介文発行年
1「ゲーム」を題材に探究学習するなら:コンテンツ消費者から制作者・供給者へ16年間、3000人以上が学んだ、清教学園の探究学習指導。授業で得られたとデータと指導経験をもとに、探究学習を支援する解説を書きました。名付けて「探究学習大全」です。今回扱うのは「ゲーム」は、人気テーマである一方、脱落する生徒も多い題材です。2024PDFのアイコン
2卒業論文のデザイン:「なんでやねん」2024実際に中学3年生が使用している、卒業論文執筆のためのオリジナルテキストです。授業担当教員が、目の前の生徒の悩みにこたえる形で作成、毎年改訂しています。テーマ設定、調査方法、文章の書き方など、論文作成に必要なエッセンスが詰まっています。2024PDFのアイコン
3語りが生まれるとき:74期「魅力的な人に取材する」作品集自分が「魅力的」と感じる相手を選び、動機を考えて取材し、レポートを書く授業。評価の高かった25作品をセレクトして作品集にしました。149名の生徒が、149名の人物に取材した、その人の魅力。卒業論文執筆に向けた、中学作文トレーニングの一環の授業です。2023PDFのアイコン
4どのような探究カリキュラムが学校図書館活用を促進するか:生徒主体のテーマ設定と潜在的な知的好奇心を引き出すレファレンスなぜ「探究学習」で、学校図書館が活用されないのか。図書館が活発に利用されている清教学園中学の実践と、同じく探究学習に取り組みながらも図書館利用実績の少ない清教学園高校の実践を比較。卒業生・担当教員・在校生への取材調査を踏まえ、高校の探究学習カリキュラムの改訂に取り組みました。「学校図書館の活性化に向けた調査研究」(文部科学省,2021)委託事業。「学校図書館賞(実践の部)」(学校図書館協会,2022)応募事業。2023PDFのアイコン
5総合的な学習の時間「はじめての探究学習」の実践中学1年生による、画用紙一枚の探究学習についての報告。「賜物を生かす」という本校のスクールモットーのもと、図書館を使って学びます。図書館での検索・探索、図書の吟味、著作権への理解、引用と出典明記、事実と意見の区別、読者を想定したまとめ方等、画用紙一枚の作品に、探究学習に必要な要素を凝縮。実施後のアンケートからは総じて、主体性を持って楽しく取り組んだ生徒の姿が示されました。2023
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6清教生は「カキナーレ」で「書き慣れ」たのか:授業評価アンケートから分析する「なぜ生徒にとって作文課題がつまらないのか」「なぜ生徒はつまらない作文を書くのか」そんなテーマで2022年からはじめた、中学2年「総合的な学習の時間」の授業実践報告。深谷純一氏の実践「カキナーレ」を参考に、生徒が自由なテーマで文章を書き、フィクションも織り交ぜながら作品にオチをつけ、お互いにペンネームで作品を公開・コメントし合う授業を作りました。2022
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7自由にテーマを決めて学ぶ探究学習が、生徒の学習観にどのような影響を与えたか:「卒業論文」を振り返る、15歳から28歳へのアンケート調査生徒自身がテーマを設定し、図書館を使って研究活動を行う清教学園の探究学習。履修した生徒は2020年時点でのべ2500名、最高年齢28歳となっていました。それぞれの年齢において、授業経験がどのようにふり返られるのか。授業が卒業生の「学習観」や「生き方」にどのような影響を与えたのかを、大規模アンケート調査によって研究しました。「研究員・委託研究員制度」(私学教育研究所,2020)助成事業。2020
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